スマートジャパンで、山梨県で実証試験が開始された物理蓄電システムについて解説しています。現在の自然エネルギーを利用した発電システムで、特に問題になっているのは供給電力の不安定さです。ソーラーパネルを例にとれば、ピーカンならば発電能力は高いのですが、曇ったり、夜間では著しく能力は落ちます。バッテリの利用については、リチウムを使う事による危険性、消耗やコスト高等もあり、現状ではあまり普及はしていません。もっとコスト低減が見込めて、実用的な蓄電システムが望まれている訳ですが、その一つがこの物理蓄電システムになります。すごく簡単に書けば、余剰電力でモーターでフライホイールをまわして、電力を回転エネルギーに変換し、最終的にその回転エネルギーを電力に変換しなおして供給すると言うシステムです。このシステムの中核となるのはフライホイールそのものと軸受け。フライホイールは炭素繊維強化プラスティック製で、直径2mなのに4tもあります。また、軸受けには超伝導磁石が用いられ、フライホイールを浮かせる事で回転のロスを減らしています。また、フライホイールは真空容器の内部にあり、空気抵抗等によるロスも可能な限り減らす試みがなされています。フライホイールは6000rpmで回転しており、最大300kWの電力の充放電が可能になっています。現在は東電と山梨県企業局が共同運営する米倉山太陽光発電所に併設する形で実証実験が行なわれています。未だ実証実験の段階なので、コスト高は否めませんが、あらゆる自然エネルギー発電に併設する事で有効活用できる様になると思われます。
参照:超電導による“世界初”の物理蓄電システムが山梨県で稼働、電力安定化の切り札へ
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