日曜日, 4月 15, 2007

USBフラッシュメモリのRAID化

メモリスティックでの速度比較を行った事があるが、今回はその第2弾と言う事でUSBフラッシュメモリを使った速度向上の実証実験を行ってみよう。
USBメモリと言っても、実際の転送レートはピンキリで、遅い商品もあれば、高速な商品もある。目安としては、転送速度についての記述がパッケージに無い商品は遅めの転送レートで、パッケージに記載があったり、ReadyBoost対応の文字があればそれなりに高速と言う事になる。今回は、旧型の128MBの容量のメモリを使って、遅いメモリを基準として、ストライピング(=ソフトウェアRAID)モードにした場合と、手持ちの最速のメモリとを比較して見る事にする。使用するのは某メーカーのUSB2.0対応メモリで、かなり初期にリリースされた製品である。比較対象の最速メモリとして使用するのは、ソニー製のPockeBitシリーズの128MBである。なお、画像のグラフにある数字は、XBenchによる実際の転送レートとして表示された数字である。この数字が大きい程、高速転送と言う事だ。128MBx1とあるのが基準となるUSBフラッシュメモリで、同製品2枚をディスクユーティリティでストライピングさせたのがRAID_0、Fastest USB ROMがPocketBitである。ベンチマークとして使用したのはXBench1.3である。
単純に128MB X1とFastest USB ROMを比べると最大で3倍程度の差になっていることがわかり、購入時にはちょっと気をつけておいた方がいいかもしれない。いずれのメモリにも、パッケージには転送レートの記載が無かったが、ここまでの差になっていると、ユーザーに対して知らせないのはひどいんじゃないかと思える。実測で7MB/秒もの速度が出ていれば、高速転送として宣伝してもいいんじゃないかと思うのだが。ヘッドシークを伴わないにも関わらず、シーケンシャルアクセスの方が高速なのは、ランダムアクセスが不連続領域へのアクセスを行っているからと推測される。また、シーケンシャルアクセスは、どのメモリでもほぼ同じ傾向が見られるが、ランダムアクセスでは速度差が顕著になる傾向が見られる。これは、メモリ側のコントロールチップの性能に負うところが大きいのではないか?
グラフをみてわかる通り、RAID化する事によって損するところは皆無である。なぜなら、ストライピングにする事で速度低下に至った項目は無いからだ。逆に遅いフラッシュメモリでも、同一製品を複数まとめてストライピングする事で、そこそこの転送レートが得られる事もわかる。推測にはなるが、ストライピングする枚数を増やす事で、もう少しは転送レートをあげられるのではないか。手元に小容量のメモリが余っているのならば、一度速度比較をしてみて、ストライピングして使うのも一つの手段だと考えられる。なお、ミラーリングであるRAID1や容量の違うメディアをまとめるJBOTでは、速度向上はあり得ない。むしろ、落ちる可能性の方が高い。

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