毎日.jpが電子書籍に関する記事を掲載していますが、この期に及んでこんなことを言っている人がいるというのは、携帯電話に続いてガラパゴス化に向かっていると言ってもいいんじゃないかと思うのです。過去に、何度か電子書籍のムーブメントはありましたよね。でも、一向に市場が動かなかったのは、常に出版社が引いたためでした。過去に国内で発表された電子書籍リーダがことごとく失敗したのは、何も環境が未整備だったと言うだけの問題じゃないです。自社の利益を確保しなければならない、激減している書店を守らなければならない、出版されたらコピーされ放題にならないか等の危機感はあると思うのです。だからといって、今更、「プラットフォーマーが…」とか、「日本独自の…」等と言っているのは愚かしい事です。現時点で、日本の出版業界が全体としてできなかった事を、あちらでは現実のものにした訳ですよね。今、1〜2ヶ月以内にすべての規格を確定して、すべてのハードウェア/ソフトウェアメーカーを納得させられて、実際に電子書籍を流通させられるのならば話は別ですが、今更こんなことを言っているのは愚の骨頂。ことごとく失敗して来た電子書籍リーダのメーカーが、独自規格のリーダを用意するとも思えませんしね。むしろ、Kindle/iPadの様に、購入/インストールを制限できる仕組みを作れなかった以上、これ以上のコストアップが見込まれる作業に費やすよりも、プラットフォーマーに乗っかるしかないんじゃないですか?元々、最近の書籍だったら、どこかの段階で必ず電子化されている訳ですし、形式の変換自体はそれほど難しくはないはずです。電子書籍とは言っても、すべての種類の書籍が電子化できるという訳でもありませんし、適切なメディアで販売されればいいというだけの話です。こう言っては悪いんですが、単に本を置いてあるだけという書店ならば、それほど数はいりません。ここに行けばこういう本が確実に入手できる等のメリットがなければ、コンビニ等でに負けるだけです。
結局、この記事で明らかになったのは、自社の利益確保が最優先である出版業界が、書店を守るという理由を盾に、今回も何もしないという事だけです。結局、最後の最後まで自社の利益を最優先させて、ユーザの方を全く見てくれていないんですよ。何が必要なのか、何を準備すればいいのか、ユーザと出版社の間では海よりも深く、山よりも高い隔たりがある様です。それこそ、日本のガラパゴス化が進むだけなんじゃないですか?自分たちは、ケータイ小説を書籍化して、利用するだけは利用しているくせにね。
参照:電子書籍:「元年」出版界に危機感 東京電機大出版局長・植村八潮さんに聞く
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