岩田鉄工所で,五指稼動型のロボットハンド「ハンドロイド」が開発されています。このハンドロイドの特徴は,可動範囲を制限する事で小型/軽量化と制御の簡易化が図られている事です。意外と重要な事なのですが,一般的に認知されている五指可動式のロボットハンドは,各関節にサーボモータが用意されているため、小型/軽量化しにくいと言う一面があります。これは人の指を模した動きにするためには当然の仕様なのですが,単純に考えてもサーボモータとその電力線,制御線等が必要になるため,比較的大型のものが多かった訳ですし,小型化のために各研究者が努力していた訳です。対して、わざと可動範囲を狭める事で,関節部のサーボモータを廃し,ワイヤーで制御できる様にしたのがハンドロイドです。そのため,人の指の動きを完全に真似る事ができませんが,とりあえず必要な動きのほとんどには対応ができている様です。コントローラはグローブ型で,その動きに応じて動作するので,離れたところでもコントロールする側は安全に操作ができます。特に極限状況での作業が必要な,例えば原発辺りでの作業には,遠隔操作ができ,人の手の動きの多くに対応できると言うのは非常に有効なメンテナンス手段として注目してもいいと思います。もっとも,航空機レベルの軽金属がメインなので,耐放射線と言う事については新たな開発が必要になるでしょうが。現在、筋電位で制御可能な義肢としても使用できる様に開発が進んでいる様ですから,かなり期待ができると思います。過去の試作品を見ると、何となくターミネータT-800の腕を見ている様です。
参照:オリジナル製品>ハンドロイド
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