一般的に、体内に薬液を注入する手段として、針付きの注射器が用いられています。現時点ではコスト的な面からも、この手法が主流となっているのですが、やはり恐怖心が先に立つのも事実でして。子供が注射器をみて泣くのも、針を刺すと痛いと言う恐怖心の現れと言えるでしょう。コスト面でも、日米等の医療制度が十分に整っている国はいいのですが、発展途上国の予防接種では注射器と注射針の処理にかかる費用と時間が、予防接種のコストアップの要因となっています。ところで、SF映画やアニメ/漫画の世界では針を用いない注射器が、かなり以前から登場しています。円筒形や不細工な拳銃型のデバイスを首筋に当てて、プシュッと言う音ともに薬液を注入すると言うあれです。現実世界でもJetInjectorという注射針を用いない注射器があったんですが、ばかでかい拳銃型で、現在は国内での利用にはかなり制限がある様です。発展途上国の予防接種用としては、現在も使用されている様です。で、ここまでが前振り。ご存知、米国のMITでは、新たな注射針のない注射器を研究/開発している様です。要するに、皮膚に直接吸収させるのではなく、皮膚の下に高速で薬液を打ち込んだ後に、周辺組織を吸い上げて傷口を閉じるという2段構えの方式をとっています。現在は粉末状の薬を打ち込める様にする技術を開発しているようで、これが実現すれば薬を液体状にする必要がなくなるため、発展途上国でのワクチン輸送の手間とコストを下げる事が可能になり、ワクチン接種を促進する一役を担うのではないかと期待されます。いやぁ、トリコーダの実用化を目指した技術開発と言い、いよいよ、現実がSFの世界に近づいてきたのかもしれません。
参照:Device may inject a variety of drugs without using needles
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